TAMISA

インドで風邪をひいたら

こんにちは、ナマスカーラ!マユコです。

みなさん、お元気ですか?
わたしは、約3年半ぶりの海外旅行で、思いがけず体調を崩してしまいました。。

インド旅行のレポートで、ヨガの話しでもなく、聖地を訪れた話しでもなく、風邪をひいた話しかーい!と自分でも苦笑いなのですが、ひとつの旅のエピソードとしてシェアさせていただきます。よければお付き合いください!

南インドの5月は暑季です。暑いとは聞いていましたが、「京都の夏だってたいがい暑いし〜無理しなければ大丈夫だろう」と思っていました。

到着して数日は、暑いながらも久しぶりのローカルなごはんやお茶を楽しんでいました。とはいえ、急な気温差や移動による疲れで、バランスが崩れているなぁと感じていたので、アーユルヴェーダの薬局で相談してみました。

たくさんのアーユルヴェーダの薬局があるようですが、わたしが訪れた薬局はカウンター越しに欲しいものを伝えて、購入するスタイルのようです。

手前にひとりの男性が座っていて、みんなその方にアレコレ伝え、男性がメモをとって奥にいる女の子たちに渡していました。

石鹸やクリームなどの日用品から、お薬までいろいろ買えるようで、カウンターにはひっきりなしにお客さんが並んでいましたよ。

わたしはドクターに自分の様子を伝えてみました。

「日本から来ました。長距離の移動や気候の変化で、いろいろバランスが崩れていて、エネルギー不足です。」ドクターはわたしの拙い英語をうん、うんと聞いてくれて、「インド人も同じだよ、この暑さは想定外!たくさん水分と休息をとって。あそこでココナッツを買って飲むといいよ。」と笑って言いました。

「なんかしんどい、早くなんとかしたい、何かちょうだい!薬!薬!薬を飲んだらいいんじゃないっっ!」っとなっていたわたしは、ドクターのスマートで親切な対応のおかげで、少し冷静になることができました。

熱が出たのはそれから数日後です。日本から少し薬を持って行ったのですが、わたしはまたまた不安に飲み込まれ、「あのドクターのいる薬局もう1回行きたい」と友人にお願いしました。あいにく、その日はその薬局がお休みだったのですが、「ホメオパシー のクリニックに行ってみる?」と探してくれて、診察してもらえることになりました。


ここでホメオパシーについて少し・・・
みなさんホメオパシーってどうですか?馴染みありますか?
わたしが知っていたことは、「なんか自然なかんじのやつで、お砂糖の小さい丸いお薬を飲むんやんなぁ」という程度です。

ホメオパシーは1790年代に、ドイツ人医師ハーネマンによって確立されました。ホメオパシーの薬は、レメディーと呼ばれます。re(戻す)、medium(中間)という言葉からつくられた名前で、中庸に戻すという意味があります。レメディは主に自然界に存在する植物、鉱物、動物などから作られていて、化学薬品は使用されていません。これらを水で100倍希釈して振盪(しんとう)する作業を10数回から30回程度繰り返して作った水を、砂糖玉に浸み込ませたものです。希釈された水を「ただの水」だと理解すると、治療効果があるはずがない、プラセボ(偽薬)だという意見もあるようですね。薬を飲んだという行為によって、無意識に効果が生じるものだと思い込み、成分に関係なく効果が現れるという現象です。

ホメオパシー ではレメディの効果を「水が、かつて物質が存在したという記憶を持っているため」と説明しています。肉体だけでなく、Mind、Spiritを扱うホリスティックな視点から展開されていて、インドでは、19世紀初めにイギリス植民地下でホメオパシーが入り、マハトマ・ガンジーは「経済的にも心身にも優しく治療する最新の洗練された治療法である。」とホメオパシーを推奨し、イギリスから独立後も、イギリスのものが多く排斥されるなか、ホメオパシーは残されたのだそうです。

ホメオパシーの診察は、普通の内科の診察と同じようなものでした。症状を聞いてくれて、聴診器をあてて肺の音を聞き、目や舌の様子をみて、薄い紙の上にのせられた粉薬をゆっくり溶かしながら飲むように言われました。とても小さな診察室、古そうなレメディの本や辞書のような分厚い本。風邪で少しかすれている自分の力のない声と、" Nothing to worry , nothing to worry"と繰り返し言ってくれるがっしりとした体型のインド人ホメオパス。そしてここでも、「なんせ暑いからね!インド人でも体に堪えるほどだからね!」と言われました。

数種類のレメディを処方され、4時間置きに、朝だけ夜だけ、症状があるときだけ、という説明を聞いて、わたしの初めてのホメオパシークリニック体験は終わりました。レメディーは想像通り、白くて丸くて小さくて甘い粒でした。小さなケースから4つとか、5つとか言われた数を取り出して飲みます。まるでおままごとのようです。ラムネ菓子をお薬に見立てて遊んだことを思い出しました。

その夜、眠っている間に熱が上がり、上がりきると少しずつ回復していきました。レメディの成分や効果についてはわかりませんが、わたしにとっては忘れられない体験になるだろうと思います。慣れない土地を旅しているという状況に、思うようにいかないもどかしさや、不安に流されていく感覚がさらに際立っていたのでしょう。みなさんもご存知のドラックストアに並んでいるあの有名な解熱剤は、「半分が優しさでできている」らしいのですが、わたしはまさに今回、たくさんの優しさに支えてもらいました。

今はもうすっかり元気になり、こういう時もあるよねっと振り返ることができるようになりました。京都はもうすでに梅雨入りしてるそうですね。みなさま、どうぞご自愛ください。ここまで読んでくださって、どうもありがとうございました!

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