TAMISA

[Bhakti Rie]癒やしの島スリランカ

今日は、私がとても大切に思っている国、スリランカの魅力についてお話します。スリランカは、海に囲まれた緑豊かな島国です。
私は、主にスリランカ最大の都市コロンボ、南西部のベルワラ、青い海と砂地が美しいウェリガマの3か所を拠点に、アーユルヴェーダ、瞑想、音楽を学びながら、ヨガの指導をしていました。私が居たのは、アーユルヴェーダの施術を受けながら長期滞在するリゾートホテルで、日本でいうところの湯治客の方々にヨガと瞑想の指導をしていました。ゲストたちは、約1週間~4週間程ホテルに滞在して、それぞれの体質に応じた食事をとり、アーユルヴェーダの施術や治療を受けます。
アーユルヴェーダの考え方では、病気、不調を局所的に取り除くのではなく、全体的な身体の調子を整えることで原因を根本から取り除きます。みなさん、来た時と帰る時の顔がまるで別人のようで、お見送りする時には10歳~20歳くらい若くなったような印象です。
生まれ変わったような、完全にリセットされたような感覚なのでしょう。ほとんどの方がリピーターで、1年に1~2回トリートメントを受けに滞在されます。病気の治療や健康維持など、目的は様々ですが、いろんな方々の経過を見てきて、自然治癒力の底知れないパワーを感じる日々でした。


ある日、コロンボで一緒に生活をしていた現地の友達に田舎の実家に招かれることがありました。
今でも、姉妹のように交流を続けている彼女の実家は、マータラという片田舎にあります。外国人のお客さんは珍しいようで、家族みんなから大変歓迎され、たくさんのスリランカの家庭料理とミルクライスでもてなしてくれました。
ミルクライスは、お米をココナッツミルクで炊いたスリランカの伝統料理でお正月、お祭り、結婚式などのおめでたい日や、赤ちゃんが初めて食べ物を口にする日など何かが始まる特別な日に家庭で作られるものです。ちょうど私たちがお祝いの日に赤飯を炊くのと似ていますね。
その味は優しい甘さが印象的でかつとてもパワフルなもので、その時一緒に過ごした友人家族の人柄がそのまま味になっているように感じました。
日本人の私を伝統的な方法で歓待してくれたその嬉しさもあってか、その後もミルクライスを頂く機会はたくさんありましたが、この時のミルクライスの味は忘れることができません。


最後に私が思うスリランカの最大の魅力、人々の慈悲深さについて。

スリランカ滞在中、スリランカの人たちってどうしてこんなに優しいのだろうと思うことが幾度となくありました。長く生きていれば誰しも辛く苦しい経験をしますが、私もスリランカ滞在中に乗り越えなければならない辛い時期を経験しました。その時期を通じて、私に接してくれたスリランカの人々は、私を励ましたり慰めたりするのではなく、ただそばに寄り添い、話を聞いてくれました。それがかえって私の心に響き、こわばった心が解けていくのを感じました。スリランカの人々は、長く続いた内戦を通じて想像を絶する辛い経験をしており、ある意味で国民全員がトラウマを抱えている状態にあります。彼らの独特の優しさはひょっとしたら自分たち自身が痛みを抱えている国民性に由来するのかもとも思います。

お互いを思いやり、共感し合い、支え合って生きてく、私がこれまで忘れていた本当の心と心の交流というのが、スリランカの人々は自然とできるんだと感じます。そして、私自身もそのようでありたいと思うのです。

美しい自然、太陽の恵み豊かなフルーツ、ムワッーと熱いあの空気、アーユルヴェーダマッサージオイルの香り、スリランカの人たちとのおしゃべり、恋しいな。
みんなが健康で幸福でまたいつか元気に会えますように。

Ayubowan(シンハラ語) I wish you a long life
Vanakkam (タミル語)I greet the god in you

この記事を書いた人

Bhakti Rie

自然豊かな琵琶湖のほとり、山々が広がる高島で生まれ育つ。カナダに留学し、滞在時にヨガティーチャートレーニングを取得。その後、世界を巡り様々な師と出会う。
主にカナダ、インド、スリランカ、タイにて、シヴァナンダヨガ、ハタヨガ、瞑想、インド哲学、声楽、サンスクリット語、アーユルヴェーダ、マッサージセラピーを軸に学びを深め、近年は度々スリランカやインドを訪れ、初心者から練習者、様々な国籍、身体のコンディションの方々に幅広くヨガを伝える。

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