TAMISA

大切なことは目に見えない

こんにちは。ゆうこです。

今日は、たみさ文庫からお気に入りの本を紹介したいと思います!
それは...

サン=テグジュペリの「星の王子さま」(...え、今さら?)


世界的に大ベストセラーのあまりにも有名な本ですが、意外に、聞いたことはあるけどちゃんと読んだことがないという方も多いのではないかと感じ、ご紹介させていただきたいと思いました!

私が初めてこの本を読んだのは、10代の時。
でも、その時は、変な人がいっぱい出て来る、よく分からない話だなぁという印象でした。
児童書のように見えますが、この本は、大人が読んでこそ、胸に響くお話だと思います。

「大切なことは、目に見えない」

星の王子さまの代名詞のようなこの言葉。
大人になり、目に見えるものに囚われ始めた時に読むと、忘れていたことを思い出させてくれます。


この本の主人公は、物語の中で「ぼく」として出てくるパイロットの少年。
お話は、「ぼく」がサハラ砂漠の真ん中で飛行機が故障し、遭難しているところに、他の星から来たという子どもの王子さまに出会うところから始まります。

また、王子さまのイラストがかわいいんですよねー!挿絵はすべて、作者のサン=テグジュペリ自身の描いたものです。


地球に来る前、王子さまは、とても小さい自分の星に住んでいました。
ある日、どこからか飛んできた種が芽吹き、気位の高い美しいバラの花が現れます。
王子さまはそのバラが大好きで、世界で一番美しいと思い大切にお世話をしていましたが、バラのあまりのワガママさに苦しくなり、星を出ることに決めます。本当はバラも王子さまのことが好きだったのですが、バラはその気持ちを最後に伝え、王子さまは複雑な気持ちで星を去ります。


そして、王子さまはいろんな星に行きます。
そこでは、表面的なものに囚われている人たちがたくさん出てきます。
権力に囚われる王様、評価に囚われるうぬぼれや、快楽に囚われるのんだくれ、お金に囚われる実業家、労働に囚われる点灯人、知識に囚われる地理学者。

私たちが囚われやすいものを示唆しているような星の住人たちに、王子さまは「大人ってほんとに変だな」と星を去って行き、そして最後に地球にやってきます。

地球で、王子さまは何千というバラが咲き誇っている様子を見てショックをうけます。
自分の星で大切にしていたバラは特別じゃなかったのか...。
そこで、王子さまは一匹のキツネに出会います。キツネは王子さまと友達になりたいと言い、今は出会ったところで何万といるうちのただの一匹のキツネだけれども、時間を共に過ごしいろんな思いを交わすことによって、それがただのキツネから特別なキツネになっていくということ、それが友達になるってことだよと伝え、王子さまははっとします。


王子さまにとって、自分の星にいるバラの花は、雨の日も風の日もお世話をし、大切にしてきたバラで、他の何千本とあるバラとは全く違う大切な存在だと気づき、自分の星に帰ろうと決意します。

そこから、悲しくも希望のある美しい結末へと向かっていくのですが、ぜひ、ご興味のある方は、続きを原作で読んでくださいね!

過ごした時間、そこで経験したことこそが、当たり前にあるものを大切で特別にすると伝えるキツネ。「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。大切なことは、目に見えないんだよ」

目に見えているものは同じでも、それに意味を与えるのは自分の心で、そこに本当の豊かさがあるということ、表面的なものに囚われずに、その奥にあるものを、自分の感性や創造性を広げて見ることの大切さに気づかせてくれます。
子どもは当たり前のように心でものごとを見ているのに、大人になるにつれて、その感覚を忘れていってしまうんですね。


「そうだよ、家でも星でも砂漠でも、その美しいところは目に見えないのさ」
「だけど、目では何も見えないよ。心で探さないとね。」
「王子さまの寝顔を見ると、ぼくは涙が出るほどうれしいんだが、それも、この王子さまが、一輪の花をいつまでも忘れずにいるからなんだ。バラの花の姿が、眠っている間も、ランプの灯のように、この王子さまの心の中に光っているからなんだ。」

何度も何度も、物語の中に出てくるメッセージです。
ヨガでも感じる、目に見えない内側の豊かさを、物語を通して見せてくれているようです。

今の私がこの物語を読んで感じたものはここまでなのですが、読むたびに新たな発見があり、何度も読み返したくなります。

サン=テグジュペリは空軍のパイロットとして第二次世界大戦に参戦し、沢山の生死の中を生きていた人です。
星の王子さまでも、いわば死神的に出て来るヘビの存在や、ヘビと王子さまの会話などの中に、サン=テグジュペリの死生観が表現されているような気がしますが、まだまだ解釈出来ない部分がたくさんあります。

私の中で変化があった時に、また新しいメッセージを受け取るのかなぁと、楽しみです。
色んな気づきを与えてくれる、とても味わい深い本です。ぜひ、ゆっくりと星の王子さまの世界を楽しんでくださいね!

たみさ文庫では、TAMISA会員の方であればどなたでも、2週間本を借りていただけます。
ぜひ、いろんな本を読んでみて下さいね^^

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