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物質的な豊かさについて考えてみる / Sadao

世界規模で今までの価値観が変わるきっかけになった2020年。

Veg Outでの映画上映イベントの定期開催、地球のことを考えるイベントであるアースデイ京都との関わり、上勝町にあるゼロウェイストセンターへの視察などを経て、本当にたくさんの方が、それぞれのフィールドで地球や地域環境に対してどのようなアプローチができるのかを見る機会が増えました。

幸福なことに、日本で生活していると、物質的な豊かさを感じることが多くあります。食べ物だけではなく、衣類や電化製品、スーパーに行けば、世界中から輸入した食べ物を手軽に購入でき、そして価格が地産で販売している物よりも安いなんていうのが当たり前の、安価な物流を可能にしたコンテナ革命が成し遂げた世界に私たちは生きています。

北欧に分類される小さな国デンマーク。私は、北欧のシンプルながらも機能美に溢れたデザインに惹かれ、約2年間デンマークに単身で留学をしていました。

デンマークの都市の街並みはアンデルセンの童話そのものの街並みだが、機能性も高い近代の建造物も多く共存している。

あまり日本人には馴染みのない国ですが、世界的に有名な企業のレゴ、音楽では『愛しのバービー・ガール』の曲が大ヒットしたダンスグループであるアクア(AQUA)などがあります。デザインでは、アルネヤコブセンやロイヤルコペンハーゲンなどが有名です。

近年では国連世界幸福度報告では幸福度第1位を獲得し、世界で最も腐敗が少なく、男女の賃金差が低いことでも注目を集めています。国内発電総量の50%を風力等の再生可能エネルギー発電で達成している環境先進国でもあります。

約2年の間、Nordfyns HøjskoleとDen Skandinaviske Designhøjskoleに在籍

私たち日本に住む人たちと、デンマークに住む人たちでは一体なのが違うのでしょうか。私が実際2年間住んでみて感じたことがあります。

デンマークでは充実した社会福祉を実現するために、物価が非常に高いです。そして街へ出ても日本ほど品揃えも多くなく、日本のショッピングセンターほどの大きな商業施設もほとんどありません。私はデンマークの真ん中にあるフュン島に長く住んでいましたが、買い物するときは夕方には全てのお店が閉まってしまうのでガソリンスタンドのキオスクくらいしか営業していませんでした。

ビールは水よりも安いので、デンマーク人はほぼ毎日ビールを飲むくらい皆ビール好きです。

24時間オープンしているコンビニやスーパー、レストランが多くある日本に慣れていた自分としては、最初はデンマークはとても不便に感じました。ですが、多くの仕事は午後4時には終わり、夕方5時ごろに自宅に帰り、庭でBBQをしながらホームパーティーをしたり、裸になって日光浴をしたりスポーツや趣味に時間を使う人もいるなど、仕事よりプライベートを重視している人が圧倒的に多いです。

日本へ帰国してから時間が経つと『モノ』を手に入れ、消費することで幸福を感じてしまうことに慣れすぎている自分にハッとしてしまいます。消費をするために行動するのではなく、自分の人生の中の本質的な価値観や幸福に気づき、磨いたり大切にするの時間をどれだけ持てるのかがいかに重要かを、2年間のデンマークの生活を振り返り、改めて今この時期に考えています。

この記事を書いた人

Sadao

TAMISAでインストラクターをしているSandra Fangの夫であり一児の父。2017年よりTAMISAスタジオのホームページ、企画・制作などのお手伝いをしている。

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