TAMISA


ウェルビイング アセスメント プロジェクト実施報告(2022年11月実施)

健康と幸福について考えるプロジェクトの報告会

ヨガの効果をより具体的に見える化することを目的として、ヨガを日常的に取り入れている方を対象としたデータを集計し、みなさまと共有するプロジェクト『ウェルビイング アセスメント プロジェクト』。昨年末ヨガスタジオタミサにて1ヶ月間実施したアンケートの集計結果を元に、京都光華女子大学心理学科講師の谷本 拓郎氏の報告会 & トークイベントを2023/3/19(日) に開催しました。

報告会内容
REPORT

報告会イベントでは、プロジェクトの目的や達成状況について説明し、心理学の研究をしている谷本拓郎さんが主体となり、ヨガのインストラクターである小上陽子と共に、の二つの視点から、集計されたデータを元にパネルディスカッションを行いました。

また、クラスを担当するインストラクターである、Sandra先生とHIDEMI先生もこの結果を元に自身の体感や受講されたみなさまの体験談を共有し、「なぜヨガが具体的に心と身体により良く作用するのか?」といったヨガの効用について、イベント参加者と一緒になり心地の良い雰囲気で、自由にディスカッションができました。

谷本拓郎さんのコメント
ひとが感じる幸せとヨガの関連性について、真摯に考える本プロジェクト。意外にも我が国のヨガ実践と心理効果に関する研究はまだまだ少ないのが実情です。それゆえ、これはとても画期的で、考えること自体が楽しい研究プロジェクトだと実感しています!実際に、今回の研究調査からは、ヨガによりネガティブな感情が軽減し、気力や意欲が湧くことが実証されました。本プロジェクトを通じて、これまで以上に、ヨガで幸せを感じるひとの輪が広がりますように!

Yokoさんのコメント
「ウエルビーイング」とは、精神的・肉体的・社会的・経済的にバランスのとれた生活を目指し、健康で幸せな生活を送ること、またはそのような生活を目指すことを意味します。これはまさにヨガの練習を通して得られる恩恵と同じです。ヨガをライフスタイルに取り入れることで、私たちの総合的な幸福度が向上することを、この研究を通して実証されることが楽しみです!

イベントの録画映像Recorded video of the event

調査概要
Survey outline

全2ページのアンケート用紙に記入

今この瞬間を感じてクラスを楽しみましょう

クラス前と同じ内容のものとフィードバック用の用紙に記入

 
アンケート内容

1. ヨガの感想①(選択式)
2. ヨガの感想②(自由記述式)
3. POMS2(注1)(質問紙)

注1)精神科患者の精神面の状態を確認すること、企業のメンタルヘルスチェックにおける利用、アスリートの心身の疲労感を把握することなど、心理面の状態を多面的に測定する調査票です。

調査方法

各ヨガクラスの開始前と終了後のそれぞれでアンケートを実施

調査対象

期間内にTAMISAでヨガクラスを受講された方で,アンケートへの回答に同意いただいた方。265名(有効回答率86%)

調査期間

2022/11/1(火)〜11/21(月)

 

主なフィードバック内容
what kind of feedback

何を調査したのか

『ヨガがウェルビーイングの実現にどのような効果を発揮するのか』

※「ウエルビーイング」とは、健康で幸せな生活を送ること、またはそのような生活を目指すことを意味します。

 
POMS2の結果の説明

参加者全体(228名)について、ヨガへ取り組むことで、ネガティブな感情が大幅に減少し、活力や他者への友好的態度は大きく増加しました。また,クラス別に分析したところ、ヴィンヤサ(48名)とトゥリヨガ(67名)においても、同様の結果が示されました。陰ヨガ(31名)については、ネガティブな感情は大幅に減少し、気力や他者への友好的態度は平均レベルの増加が認められました。
 ここで言うネガティブな感情とは,漫然としたいら立ちや他者への反発心(怒り〜敵意)、焦る気持ちや途方に暮れる気持ち(混乱〜当惑)、暗くて沈みがちな気持ち(抑うつ〜落込み)、気だるさや何もやる気になれない消耗感(疲労〜無気力)、必要以上に心配したり緊張したりする傾向(緊張〜不安)を意味します。
 一方、ポジティブな感情傾向としては、前向きに何かに取り組みたい意欲ややる気がみなぎる実感があること(活気〜活力)、他者への前向きな態度や肯定的な感情(友好)を意味します。

 
分析

ヨガは我々の気分や心の持ち様に大きく作用することが分かりました。様々なネガティブな感情が大幅に減り、生活全般に対するエネルギーや物事へのやる気、他者への好意が増えることが示唆されました。
クラスによって取り組む内容は様々ですが、心理的な効果に大きな差異はありませんでした。今回分析可能なヨガのクラスについては、全て,統計的根拠に基づいて、ポジティブな結果が示されています。
これらから言えることは、ヨガは,心の状態を明るく、心地よい方向へ変化させる強い力があるということです。ストレスや生きづらさにつながるような、つらく苦しい感情を打ち消すよう心へ働きかけ、それとは逆に、積極的に前向きに行動するような気力やエネルギーを湧き上がらせます。
こうしたヨガが備える潜在的な力は、ヨガをしたことがある方なら体験的に知っている、実感しているかもしれませんが、今回の調査によって、科学的な根拠を持って証明されたと言って過言ではありません。

 
poms2について

【怒り~敵意:AH】【混乱~当惑:CB】【抑うつ~落込み:DD】【疲労~無気力:FI】【緊張~不安:TA】【活気~活力:VA】【友好:F】の7つの面と,TMD(気分障害のスクリーニングスコア)から気分の状態を把握します。

自由記述内容(感想,メッセージなど)
message from students

・いつもありがとうございます 先生含め クラスのみなさんがとても良い雰囲気の方々で、毎回楽しくリラックスして参加できます。

・行動の支えになります。迷っても正しく導いてくれる。ずっとそんな存在でありますように、心の調整,落ち着き、楽しくて嬉しい気持ちになるのでこれからもよろしくお願いします

・幸せ、幸福感、安心、安全

・ヨガのクラスがある日は,目覚めた時からすでに気分よく,活気も感じます

・学ぶ喜び,発見する喜び,リラックス,体力強化,体がリリースされる気持ちよさ

・ヨガをするととても気分が良くなります。次に「何かやりたい」という気持ちにさせてくれます。私にとって,大切なものになっています。またきます。ありがとうございました。

・心身のリラックスをいつも感じられるので,とても居心地が良いです

・クラスに出れば出るほど良い状態を保てるように。これからもよろしくお願いします。毎日は素敵になっていきますように

・It was a very good class, I enjoyed it a lot. The flow was excellent, the asanas that we did were great.

・今のまま,心地よく安心できる空間を続けていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます

 

TAMISA Well-being Assessment Project

TAMSIAでは会員のみなさまに、ヨガクラスとライフスタイルを通して、よりよい毎日を過ごしていただけるよう努力を続けております。この度、その一環として光華女子大学の協力をいただき、ウェルビイングアセスメントプロジェクト(健康と幸福について考えるプロジェクト)を実施することになりました。会員のみなさまからクラスに参加して感じる変化や効果など、自由なご意見をうかがいたいとご協力をお願い・実施いたしました。

 
 
京都光華女子大学との共同プロジェクト

京都光華女子大学心理学科講師、公認心理師、臨床心理士

谷本 拓郎

専門は、マインドフルネス、犯罪心理学。少年院や児童福祉施設でマインドフルネスやヨガを指導している。心のケアや平穏を保つためのマインドフルネス心理プログラムを検証している。

京都光華女子大学 教員一覧ページ

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TEL075-212-0776