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2020/12/06(Sun) Veg Out

【VEG OUT CINEMA vol.1 レポート】

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11月29日(日)に第一回目となる「VEG OUT CINEMA vol.1」が開催されました。

ご好評をいただき、イベント告知後すぐにチケットはソールドアウト!

急遽オンラインでの参加枠も設け、多くの方に参加していただきました。参加者のみなさま、改めてありがとうございました!

以下、「VEG OUT CINEMA vol.1」当日の様子などをレポートしていきたいと思います。

「VEG OUT CINEMA」とは?

全人類がコロナ禍を経験し、社会が急速に変化している今、これまでの私たちの暮らしや社会を見つめ直し、 これからの時代をどう生きるのか、どういった社会を作っていくのか改めて問う必要があるのではないかと強く感じていました。

今後どのような世界になるのか不安になるのではなく、希望を持って、何を大切にして生きて行くべきなのか、どういった世界を自分自身、そして仲間とクリエイトしていくのかが問われている時代であると考えています。

一人が自問自答するだけでなく、お店、スタッフ、お客さんが1つになって表現し、学び合い、共有できる場、そしてコミュニティを作りたいと思い、「VEG OUT CINEMA」が生まれました。今後も定期的に社会課題をテーマにした映画を上映し、気軽に語り合えるイベントとしての「VEG OUT CINEMA」を開催していく予定です。是非お気軽にご参加していただけたら嬉しいです!

ドキュメンタリー映画「幸せの経済学」

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さて、今回第一回目に上映した映画は「幸せの経済学」

「グローバリゼーション」による過度の消費主義経済が生み出す問題、民族紛争や異常気象、多様性の損失、失業、アイデンティティの崩壊などを述べ、その解決策として対極にある「ローカリゼーション」を挙げます。コントロールが困難になったグローバリゼーションから離れ、切り離された人や自然との繋がりを取り戻し、絆を強めていく世界各地のコミュニティやローカルムーブメントの事例を紹介してくれます。

10年程前に作られた映画ですが、物質的豊かさが必ずしも幸せに結びつかなくなった現代、そしてコロナ禍で世界が急速に変化している中にいる私たちが、これからの世界をどう生きていくのか、どのようにしたら持続可能で幸せな世界を作っていけるのか、こういった問いに対し様々なヒントを与えてくれる映画でした。ぜひ機会があれば、今改めて観ていただきたい映画です。

トークセッション「ほんとうの豊かさとは?」

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上映後にはトークセッションを行いました。

スピーカーはヨガスタジオTAMISAでもヨガを教えながら自身でも毎月Naked Markedを主催しているMaya Hansonと私、Veg Out ディレクターの平山雄一。

幸せ=物質的豊かさではなくなった現代、さらにコロナ禍によって混乱している世界の中、2人にとっての「ほんとうの豊かさ」について思うこと、そしてその豊かさを実現していくためにNaked Marked、Veg Outでそれぞれ取り組んでいる具体的な活動についてスライドを交えお話をしました。

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プラスチックパッケージフリーのエシカルな消費活動を提案する「naked market」

京都市郊外に位置するTAMISA松井山手スタジオで開催されるnaked marked "nature"は5回目を迎えました。

そしてイベント当日は京都市内にあるTAMISA3条で初めての開催となるnaked marked "city"がありました。

プラスティックフリー、プラスティックゴミの削減に共感する出店者が集い、旬の新鮮なお野菜やVEGAN弁当やスイーツ、フェアトレードの商品やエシカルプロダクト、ハンドメイドの服やアクセサリーなどが販売され、マーケットに来場したお客さんは直接出店者と会話を楽しみながら買い物をする光景がみられます。

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Veg Outも毎回出店させていただき、いつも感じるのは、主催者、出店者、お客さん、そこに集うみんながハッピーな雰囲気に包まれていて、豊かな時間を共有していること。

マーケットは、回を重ねるにつれて、来場してくれる方も増え、中には毎回来ていただく方もいらっしゃいます。

初めは戸惑っていた方も何度か来場してくださるにつれ、最近はエシカルな買い物を上手に楽しんでいる様子が伺えます。

また出店者同士の繋がりも生まれ、Veg Outでも農家さんから買ったお野菜やハーブを実際にお店で使わせていただいています。

そんなローカルのコミュニティとしても成長しているネイキッドマーケット。

VEG OUT CINEMAに参加していただいた方からも「次回の開催を楽しみにしています」という感想がたくさんありました。

そんな素敵なローカルマーケットを主宰するMayaちゃんの「ほんとうの豊かさ」とは

"Less is More"

"心にゆとりのある状態"

いつしかイベント会場の時間はゆっくり流れ、参加者も一段とリラックスした雰囲気に、「まさにこの状態(笑)」とのことでした。

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naked market インスタグラムアカウント

https://www.instagram.com/nakedmarket_kyoto/?hl=ja

オーストラリア、バイロンベイでの暮らし

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一方、僕にとっての「ほんとうの豊かさ」もLess is Moreでした(笑)

先に言われてしまってどうしようと思いましたが、お互い同じことを考えているのだと感じ、改めて嬉しく思いました。

"Less is More"

訳すと「少ないほど豊かである」という意味のようです。日本語だと「足るを知る」が近い表現かもしれません。

こう考えるようになったきっかけは、約10年前に2年ほど暮らしたオーストラリア最東端の町「バイロンベイ」での生活にあります。

今回上映した映画中でもバイロンファーマーズマーケットなどが紹介されており、まさに町全体にローカリゼーションが根付いているところだと思います。

バイロンは美しい自然、ビーチ、そして波があり、世界中からサーファーや旅行者が集まる町で、昔はヒッピーの聖地として知られ、今でもオルタナティブなライフスタイルを送る人たちが暮らす人口5000人ほどの小さなビーチタウンです。

バイロンのファーマーズマーケットは毎週木曜の午前中開かれていて、バイロン近郊の農家さんたちが新鮮で多種多様なオーガニック野菜を持ってきていて、価格も安いです。

朝早くからローカルの人たちはバスケットとコーヒー片手に農家さんたちとの会話を楽しみ、新鮮な野菜を買い求める光景が見られます。また飲食店をしているオーナーたちも食材を買いにきていて、まさに地産地消が根付いています。

当時働いていたカフェのオーナー、アンディーともよくマーケットでも会いました。

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バイロンには素敵なカフェや量り売りやナチュラル素材のもの扱うジェネラルストアがあり、ローカルの人たちからとても愛されています。

当時は、Woolworthsという大型のスーパーが1つだけで、チェーン店は数件、フランチャイズのカフェは1件もなかったと思います。

大企業のお店が建設予定となるとすかさず反対運動が起きます(笑)

そんなローカリゼーション精神が貫かれているバイロンベイで約2年間生活していましたが、当時の生活はにWWOOF(畑仕事の代わりにすむ場所を提供してもらえる)のVANに住みながら、午前中は農作業や放牧場のメンテナンスのお手伝いをし、午後からは町のカフェで働き、仕事終わりにサーフィンをするの繰り返し。

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もちろんお金はなく、必要最低限のモノしか無い生活でしたが、貧しいと感じたこともなく、特に買いたいものもない物欲ゼロの境地にいました(笑)

とにかく毎日が満ち足りていて楽しかったです。

今思い返してもバイロンベイでの暮らしは宝物で、その生活はシンプルだけれど豊かさそのものであるし、ちょうどよい暮らしの感覚?のような経験が

ずっと日本に帰ってきてから生活の目指すところとなっています。

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エシカル消費

日本で生活していると、駅や街中の広告やTVのCMなどの情報ノイズが無意識にでも目や耳から大量に入ってきて、まるで消費欲促進剤の注射を毎日打たれているかのよう。

こちらが意識していないと、消費欲はどこまでも肥大化し、常に満たされず、大量消費社会の罠に巻き込まれがち。

とはいえ消費行為無しに生活をすることはほとんどの人は不可能に近いのが現実だと思います。

大切なのは、本当に大切なモノは何か自分の基準を持つこと、本当に買う必要があるのかをしっかり吟味して買うこと。

そして当たり前のことですが、大事に最後まで使うこと。

今の日本式の生活を続けると、地球約3個分の資源が必要だと言われています(詳しくは「エコロジカルフットプリント」で調べてみてくださいね)。

このまま長年にわたりこの生活スタイルを続けることはできないとされています。

まずは大量消費にならないように本当に必要なものを買う。

そして可能ならば大量破棄につながらないようなモノ、例えばリサイクル可能なものだったり再利用して再生産されたもの、アップサイクルされたモノを買ってみたり。

また生産や流通の過程で搾取がないモノ、地元産のモノや生産者の顔が見えるモノなどなど、持続可能な社会作りに少しでも貢献できる消費のあり方=エシカル消費を意識してみてはどうでしょうか。

ベストではなくてもできることから少しずつ、ベターなやり方で無理なく楽しく続けられる方法で!

VEG OUTの取り組み

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Veg Outはお食事やドリンクを提供する「つくる側」でもあり、またお野菜などの食材を「つかう側」でもあります。

食材を選ぶ際には、生産者の情報や流通過程がわかり安心安全なもの、お野菜はできる限りオーガニックまたは無農薬、無化学肥料で育ち、京都近郊で取れたもの、調味料は無添加のものを使用しています。物販で扱っている商品もエシカルな視点を持って作られているものにこだわっています。

「つくる側」の視点としては、日々、地球環境にとってできる限り負荷のない方法で自分たちでも無理なく取り組める方法をスタッフみんなで少しずつ探りながらお店を運営しています。

その1つとして、ゴミをゼロにしていこうという「ZERO WASTE」に取り組んでいます。

例えば、調理の際に出てしまう野菜クズ、コーヒーかす、食べ残しなどの生ごみをコンポストによって堆肥にし、スタッフの家庭菜園や取引先の方の畑で使ってもらったり、お店にある小さな菜園(VEG OUT GARDEN)にまき、そこで育ったお野菜を再び料理に使うといった循環型の取り組みをしています。

また店内にはナッツやドライフルーツの量り売りのコーナーもあり、必要な分だけパッケージフリーでお買い求めいただくことができます。

最近では、こういった取り組みが認められ、一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンが定める飲食店のゼロウェイスト認証を受けることができました。

今後も持続可能な社会や地球環境に貢献できるようさらなる取り組みを続け、お客様から選んでもらったり、サポートしていただけるお店でいたいと思っています。

また今後も「VEG OUT CINEMA」を定期的に開催していきたいと思いますので、ぜひ次回も気軽に参加していただけたら嬉しいです!

"1人の100歩より100人の1歩"

私たちお店だけでなく、皆さんと一緒になってより良い暮らしや社会を作っていく、そんなコミュニティーを作っていけたらと思います!これからもよろしくお願いします!

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