陰ヨガの理論・効能・練習に没頭し、指導法を学ぶ
「陰ヨガ」という言葉は、自然界の万物には陰陽という真逆の側面があり、相互依存し補完し合う、という古い中国哲学からきています。人間の心身にも陰陽があります。ヨガの練習で、強いポーズを取って筋肉を動かすのが陽、ポーズを長めに保持して結合組織に着目するのが陰です。私たちのマインドで、感情や考えが常に変化するのが陽、その変化を静かに観察するのが陰です。
このコースでは、ヨガの練習者や指導者が、陰ヨガの深遠な効果を肉体面・精神面・感情面・エネルギー面で経験するための理論と練習をお伝えします。そしてそれを他者に伝える方法を学びます。
本コースのメインティーチャーであるサンドラ先生が教えるのは、日常的な陰ヨガのアーサナ練習、陰ヨガ理論の座学、20種類以上の基本的な陰ヨガポーズの練習法と指導法、結合組織と骨格バリエーションに関するヨガ解剖学です。ヨガアーサナを理解し指導するためには、ヨガ解剖学の理解が不可欠です。
本コース修了時には、機能的視点からヨガ解剖学をしっかり理解でき、自分自身の体と自分の生徒さんの体をそれぞれ個別に尊重できるようになります。 陰ヨガの基本知識がしっかりと学べることに加えて、中医学とマインドフルネスという別の二つの側面からも陰ヨガを経験することができます。
お二人のゲストティーチャーをお迎えし、札幌の田中しのぶ先生には中医学の知識および、それをいかに陰ヨガ練習に組み込むかを指導していただきます。京都光華女子大学のマインドフルネス瞑想研究者である谷本拓郎先生には、マインドフルネスとは何かという座学と、その練習方法を指導していただきます。
講座内容
- 陰ヨガとは何か - 陰ヨガと陽ヨガの違い
- 陰ヨガの肉体的・心理的・エネルギー的効能
- 肩関節・背骨・股関節の解剖学と、骨格バリエーションがヨガプラクティスにもたらす影響を学ぶ
- 最も基本的な20種類以上の陰ヨガポーズの練習法と指導法の詳細なインストラクション
- 自分や生徒さんのためのポーズ軽減法を学ぶ
- ストレスとは何か・陰ヨガを通じたストレス管理
- マインドフルネスとは何か・ヨガプラクティスと指導にマインドフルネスを盛り込む
- 陰ヨガプラクティスと指導に中医学の知識を盛り込む方法を学ぶ
こんな方へおすすめ
陰ヨガを学ぶことに興味がある方
陰ヨガの指導に興味がある方
ヨガ解剖学を学ぶことに興味がある方
マインドフルネスと、その陰ヨガ練習への適用に興味がある方
中医学と陰ヨガ練習の統合に興味がある方 陰ヨガを通じたストレス管理に興味がある方
講座カリキュラム
Day 1
朝の陰ヨガプラクティス2時間
陰ヨガとは何か/理論/練習法
陰ヨガポーズ学習
Day 2
朝の陰ヨガプラクティス2時間
股関節の解剖学
陰ヨガポーズ学習
Day 3
朝の陰ヨガプラクティス2時間
背骨の解剖学
陰ヨガポーズ学習
Day 4
朝の陰ヨガプラクティス2時間
肩関節の解剖学
陰ヨガポーズ学習
Day 5
朝の陰ヨガプラクティス2時間
谷本拓郎先生の座学:マインドフルネスとは何か&練習法(5時間)
Day 6
朝の陰ヨガプラクティス2時間
ストレスとは何か・陰ヨガを通じたストレス管理
指導練習
Day 7
朝の陰ヨガプラクティス2時間 by 田中しのぶ
田中しのぶ先生の座学:中医学&陰ヨガ(5時間)
※サンドラ先生の英語での座学には日本語通訳が付きます。
講師からのメッセージ
メイン講師:サンドラ・ファン
この陰ヨガ養成講座に興味を持ってくださりありがとうございます。メインティーチャーとして、私が情熱を持っている機能解剖学と陰ヨガの練習法・指導法をお伝えします。
過去10年間にたくさんの先生方から陰ヨガを学んできました。とりわけ、恩師であるバーニー・クラーク先生からは、この深遠なプラクティスについて学ぶ喜びを教わりました。私の知識と経験をみなさんにお伝えできるこの機会にとてもワクワクし、感謝と謙虚な気持ちでいっぱいです。
目まぐるしいこの世界で、スローダウンする時間をとり、あらゆる肉体感覚を味わい、変化し続けるマインドを観察し、本当の自分に戻ることは、最優先であるべきです。
本コースのゲストティーチャーには、しのぶ先生と谷本先生をお迎えします。
こちらの先生方の各分野における専門知識が、みなさんの陰ヨガプラクティスにさまざまな観点や価値を与えてくれると確信しています。
本コースは、練習者としての洞察に満ちた知識と、自信溢れる陰ヨガ指導者になるための確固たる技術的な基礎を、みなさんに提供できると堅く信じています。しかしながら自分自身から学ぶことが最も多いでしょう。これはご自身の内にある肉体面・精神面・感情面での新たな発見につながる深い学びの旅路となることでしょう。
ゲスト講師:田中しのぶ
陰ヨガ創始者であるポールグリリー先生が提案するYin Sutras(陰スートラ)の第1章に「アーサナの目的は、経絡の気の流れを調和すること」と、あります。陰ヨガを練習しているといずれ経絡の学びへ導かれるのは自然なことだと思います。
中医学の土台である陰陽五行論、経絡理論と12経絡を理解し、陰ヨガの練習や指導に結びつけるよう一緒に学びましょう。
ゲストティーチャーとしてお伝え出来ることに心から感謝いたします。
ゲスト講師: 谷本拓郎
私たちの心はとても活動的で、気ままで、神秘的です。心理学では"mind wondering"、上座仏教やヨガでは"monkey mind"と呼ばれるように、心の統制については、あらゆる領域で探求が続けられていて、人間の根源的な興味であると言えます。
マインドフルネスとは「現在の体験に、価値判断を加えることなく、特別な配慮を持って注意を向ける状態(スキル)」(Kabat-zin、 1994) と定義されます。心の動きに左右されず、「いま、ここ」の自分を感じることで、自分自身を中庸に保ち、心の穏やかさや健やかさに結び付きます。マインドフルネスの訓練では、知識の獲得と瞑想の実践が求められます。様々な瞑想を実践し、自分の心の動きを実感することが、陰ヨガのトレーニングにつながると考えます。みなさんと共に学べることを心待ちにしております。